不定期コラム
浮気は犯罪ではない

浮気

「浮気は犯罪ではない」何を当たり前の事を。と思われるかと思いますが、有名人の不倫が取り上げられる度に、一部過剰なネット上の書き込みを見かけることがありますので一度触れておこうかと思いました。
浮気や不倫を犯罪者のごとく非難する方は、民事と刑事の区別がついてない方です。

犯罪とは、国家権力による刑罰(罰金とか懲役とか死刑など)が課される根拠となる行為です。刑罰とは国が人の自由や財産、時には生命を奪うというものですから、国民の権利や自由が、国家権力から理不尽に奪われないようにしておくために、何が犯罪にあたり、どのような刑罰が科せられるかをあらかじめ刑法により、定めておかなければなりません(罪刑法定主義といいます)。ですから、犯罪とは予め法律(主に刑法)に罪と罰が定められた行為で、要するに、国と人との間の問題です。

一方で、浮気(不貞行為)は人と人との間の問題(民事事件)です。もちろん罪や罰として法律に定められた行為ではありません。単なる債務不履行(契約違反)もっと砕けた言い方をすれば、ある人との約束を破ったということです。浮気をしない約束なんてしてないぞ、と思う方もいるかもしれませんが、結婚(婚姻)という法律行為をした時に、夫婦は互いに貞操義務を負うという事が民法に定められているのです。
人と人との約束を破ったという事は、人から金を借りて返さないのと同じです、借金を返さなくても警察に捕まったり、刑務所に入ったりすることはありません。それどころか警察に相談しても「それは民事なので」と取り合ってもらえません。もちろん、最初から返すつもりがないのにお金を借りたりしていれば詐欺という犯罪が成立しますが、それは詐欺を行ったことが犯罪に当たるのであって、借金を返さないことが犯罪なわけではありません。では、お金を返してもらえない人はどうすればよいかというと民事裁判を起こして勝訴すれば、裁判所が借り主に対して金を返すよう命令してくれます。それでも返さなければ財産の差し押さえなど強制執行となります。因みに個人的に強制執行を行う事はできません(自力救済の禁止)。

少々話が脱線しましたので、本題に戻りますが、浮気(不貞)という行為は、あくまで夫婦間の約束が破られた(契約違反)という話で、個人的には部外者がとやかく言う問題ではないと思いますし、謝罪される筋合いも無いと思っています。政治家は有権者との約束を守ってもらえばいいと思いますし、その他の有名人も自分の仕事に全力を尽くしてくれればいいと思うからです。もちろん政治家や有名人は、支持者やファンがあって成り立つ職業ですから「あの人は夫婦間の約束を破り配偶者を傷つける信用に足らない人だ」という批判を受けるのはある程度仕方のない事ですが、批判するのであれば言葉には気を付けたいところです。決して犯罪者ではありませんので。

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